「第2回青葉通エリアフォーラム 」を4/16に開催しました(6/8掲載)
2026年4月16日(木)、CROSS B PLUS(仙台市青葉区)にて、「第2回青葉通エリアフォーラム」を開催しました。
本市のシンボルロードの一つである「青葉通」では、これまで、賑わい創出や魅力あるまちづくりを検討するため、公共空間利活用の社会実験やビジョンによる提言が進められてきました。
本フォーラムは、「(仮称)青葉通エリア空間構想」の策定に向けた取組みの一環として、空間構想策定の目的や内容等に関する共通認識の形成、理解の深化を図ることを目的に実施したものです。
第2回となる今回は、第1回フォーラム(2026年2月3日)で共有されたエリアの現状分析や「(仮称)青葉通エリア空間構想」のコンセプトの基礎となる考え方を踏まえ、その後の検討を経て取りまとめたコンセプト案や情景イラストを報告。後半のパネルディスカッションでは、まちづくりの実践者や有識者を交え、構想を実現させるための視点について多角的な意見交換が行われました。
本記事では、当日の発表内容およびディスカッションの概要をレポートします。

1.【報告】『(仮称)青葉通エリア空間構想』のコンセプト・情景イラスト
●報告① 「(仮称)青葉通エリア空間構想」検討の経緯
はじめに青葉通まちづくり協議会の千葉拓より、協議会の紹介と、これまでの活動についてご報告しました。
2012年に設立された青葉通まちづくり協議会は、周辺商店会、町会、企業、個人など、現在は51者で構成される組織です。仙台駅から西公園までを「仙台駅西口(交通・商業)」「一番町周辺(商業)」「西公園周辺(居住)」と、役割の異なる3つのエリアとして捉え、横串を通して沿道の魅力を向上させることを目的に活動しています。2018年には「⻘葉通まちづくりビジョン」を策定し、仙台市に提言しました。

続いて、「(仮称)青葉通エリア空間構想」の検討に至るまでの経緯、策定の背景と目的、および今後のスケジュールについて、仙台市都心まちづくり課の半田綾子よりご説明しました。

2018年の「青葉通まちづくりビジョン」の提言や、沿道開発の動向を踏まえ、沿道地権者等を主なメンバーとする「青葉通駅前エリアのあり方検討協議会」により、2025年に策定された「青葉通仙台駅前エリア未来ビジョン」では、駅前エリアで目指すべき理念を取りまとめました。
2025年からは、駅前エリアでの沿道開発の停滞による魅力の減退等の状況を踏まえ、公民が一体となって仙台の顔、シンボルロードである青葉通の形成を進めていくための共通ビジョンを持ち、取組みを具体化していくため、「青葉通まちづくりビジョン」、「青葉通仙台駅前エリア未来ビジョン」を踏まえ、「(仮称)青葉通エリア空間構想」の検討を進めております。
空間構想は、2027年に策定することを目指し、検討を進めていきます。

●報告② コンセプト・情景イラストの解説
次に報告を行ったのは、本プロジェクトの検討を担うリージョンワークスの後藤太一です。第1回のフォーラムで報告した青葉通と仙台市のそれぞれの特徴や歴史、「住む、はたらく、移動する」の3つの視点から分析した現状を会場の皆さんと振り返りながら、そこから導き出された青葉通エリアの全体コン セプト(案)と3つの小エリアのコンセプト(案)、17枚の情景イラストを提案しました。

このコンセプト案と情景イラストは、たくさんの事例をもとにしたアイデア、協議会やワーキンググループ等での意見を踏まえて修正を重ね、取りまとめたものです。
「情景イラスト」は、コンセプト案が実現した際の、将来の青葉通における具体的な空間の使われ方や過ごし方を視覚的に表現しており、エリアごとに17枚のシーンに込めています。
後藤は、一つ一つのイラストを解説しながら、常に「あなたならこのまちのために何ができるか」と問いを投げかけ、さまざまな主体から具体的なアクションを引き出すための共通ツールとして活用したいという想いを強調しました。
【情景イラスト】

2.【パネルディスカッション】コンセプトの実現に向けて
パネルディスカッションでは、提示したコンセプトをどのように実現していくかを主題に、「新しい価値を生む場とは?」「公民連携のポイントは?」について意見が交わされました。
登壇者は以下の方々です。
馬場正尊氏(株式会社Open A 代表取締役/建築家/東北芸術工科大学教授)
内川亜紀氏(札幌駅前通まちづくり株式会社 代表取締役社長)
千葉拓(青葉通まちづくり協議会)
半田綾子(仙台市 都心まちづくり課)
後藤太一(リージョンワークス合同会社 代表社員)
武藤真子(モデレーター)
ディスカッションに先立ち、登壇者から先進事例が共有されました。
建築設計を軸にリノベーションや公共空間の再生を行ってきた馬場氏からは、有楽町「SAAI」や広島県福山市「iti SETOUCHI」など、自身が関わるプロジェクトの事例が紹介されました。これらの事例では、各ビルの1階部分を歩道と繋がるように開放するなど、既存建物のリノベーションを通じて、多様な活動が生まれる拠点や、エリア内外の人々の関係性を育む場づくりが行われている点が特徴として示されました。

札幌駅前通地区のまちづくりに取り組む内川氏からは、地下歩行空間(チ・カ・ホ)や駅前広場(アカプラ)の整備・活用、エリアマネジメント組織の設立経緯などが紹介されました。これらの取り組みでは、公共空間の整備を契機に、民間主体の活動を広げる仕組みづくりが進められてきた点が特徴として示されました。

多角的な視点で意見が交わされた中から、青葉通のまちづくりを考える上でのヒントとなるようなコメントをいくつかご紹介します。
●空間(ハード)と活動(ソフト)の一体性
馬場氏
「理想の風景を都市計画で作ろうと思うと、10年から15年かかります。15年後を待つのではなく、短い期間でできること、例えば既存の建物の1階を通りと接続するなど、3年でできる一歩から始めることも重要ではないか。」
半田
「これまで都市整備の立場では、開発事業における都市貢献などについてはハード(建物)の条件設定が中心でしたが、そうすると出来上がった時点で終わってしまいます。今回の空間構想では、人の活動を前提としたソフトの側面を空間づくりに取り入れることが新しい視点。公民が一体となった空間づくりは、行政だけでは実現できないので、民間の皆様と一緒に取り組んでいきたいと思っています。」
千葉
「百貨店でも、大学と連携したサイエンスサロンや健康チェックの場などを設けています。単なる『物を売る場所』から、『まちのために何かができる場所』へ変えていく必要があると感じています。」
●民間同士の連携とエリアの主体形成
後藤
「公民連携も重要だが、まずは民間地権者同士が、それぞれの動きを将来像につなげていくための連携も重要。」
千葉
「日常の掃除やガーデニングといった小さな活動を通じて街への愛着を育むことで、企業同士のネットワークや新たなプレイヤーが生まれる循環につながるのではないでしょうか。」
馬場氏「まちづくりは『開かれている』ことが重要。物理的にも、心理的にも、議論の経緯や場そのものがまちに開かれていることで、新しい担い手が生まれてくると考えます。」
●継続的な取り組みと担い手
内川氏
「公共空間の運営は行政だけでは担いきれない部分もあります。(札幌の)私たちの組織は『中間支援組織』として、行政と民間の間に立ち、双方の不満や意見を一旦すべて受け止めることで調整を進めています。」
馬場氏
「開発時の思想が、その後の運営や経営にまで一貫して貫かれていることが重要です。それを支えるのは、思想をつないでいける人の存在です。」
内川氏
「街が一気に変わることはありません。札幌では、求心力のあるリーダーがけん引し、まちづくりが始まりました。現在は人が入れ替わりながらバトンを渡すように、新陳代謝が起こりつつ活動が続いています。」
●まちづくりを「投資」として捉える視点
馬場氏
「心地よく歩ける環境をつくることで人を惹きつけ、結果としてエリアの価値を高めます。まちづくりはコストではなく未来への投資と考えると、まちに対する見方も変わるのではないか。」
後藤
「まちづくりをコストとして捉えるのではなく、『百貨店なら商業、大学なら研究』というように、それぞれの主体が本業での目的を達成することが、結果としてまちのプラスになるという視点も重要です。」
3.意見交換会
フォーラム終了後には、参加者同士の交流を目的とした意見交換会を実施しました。登壇者と参加者、また参加者同士で活発な意見交換が行われ、青葉通エリアの将来像や本フォーラムの内容について、さまざまな視点からの声が交わされました。
壁面に貼り出された「情景イラスト」には、多くの感想やアイデアが記されたふせんが寄せられ、熱量そのままに幕を閉じました。


今後も対話を重ね、中間案を発表するための市民向けフォーラムを経て、2026年度内の空間構想策定を目指してまいります。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
■グラフィックレコード

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■参加者の感想・意見
・コンセプト・情景イラストに人の活動、暮らしが大事にされていると感じられ、共感しました。
・多くの考えを集めること自体の意義を大切に、さまざまな案を自由に発信し合えるような環境が重要だと思います。
・まちづくりは小規模なところから取り組んでも良いのだと気付きをもらいました。
・できる範囲から着手してみるという考え方が興味深く、自分に一体何ができるか考えさせられました。

【概要】
■イベント名 第2回青葉通エリアフォーラム
■開催日時 2026年4月16日(木)18:00〜21:00
■開催場所 CROSS B PLUS
主催:仙台市、青葉通まちづくり協議会
運営:リージョンワークス合同会社、株式会社plan-A
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